ト、待っていたように悪態を吐《つ》きました。
「慾のない小伜《こせがれ》めが。一家《いっけ》一族の面目ってことを知りくさらねえのか。」
「それは知っている。だが、おれは嘘は言いたくないのだ。それに買いかぶられるのが何よりも嫌なんだ。」
そういった雨蛙の言葉には、何となくある明るさと力強さとがありました。
底本:「艸木虫魚」岩波文庫、岩波書店
1998(平成10)年9月16日第1刷発行
1998(平成10)年12月15日第2刷発行(校正)
親本:「艸木虫魚」(普及版)創元社
1929(昭和4)年発行
※「五、六ケ月」「鷹ケ峰」の「ケ」を小書きしない扱いは、底本通りにしました。
入力:本山智子
校正:小林繁雄
2002年12月23日作成
2003年6月15日修正
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
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