た文句は、私が何処かで読み覚えたものか、それとも自分の頭から出たものか、はつきりとは申し上げられません、然し私は今日まで本といつては、国民読本と旧約聖書の箴言しか読んだ事がありませんから、この二つの本に無い文句なら、私の拵へたものとして差支ない筈です。重ねて申します。懸賞金を折返し電報為替で送つて下さい。」
だが、笑つてはいけない。この応募者は読本と箴言と――書物を二冊も読んでゐる。書物を二冊も読むといふ事は、日本では贅沢の沙汰だとしてある。
底本:「日本の名随筆 別巻22 名言」作品社
1992(平成4)年12月25日第1刷発行
1998(平成10)年5月20日第5刷発行
底本の親本:「薄田泣菫全集 第三巻」創元社
1938(昭和13)年10月発行
入力:門田裕志
校正:大野 晋
2004年11月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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