《ひ》き抜《ぬ》いて書くのですから、分りやすく明暸《めいりょう》になる代りにははなはだ単調にして有名なる風邪引き男が創造されてしまいます。本来を云うと病気の時と、丈夫な時と、病気でも丈夫でもない時と三通りかいて、始めてその人の健康の全局面が、あらわれると云わなければなりません。しかし、そうすると、どうしても散漫に見えます。要領を得ないように見えて来ます。風邪でもこの通りですが、性格はこれよりも遥《はる》かに複雑であります。例えばAなる性格の第一行為をA1[#「A1」は縦中横、「1」は上付き小書き]とすると、A1[#「A1」は縦中横、「1」は上付き小書き]からして類推のできるA2A3A4[#「An」はそれぞれ縦中横、数字は上付き小書き]を順次に描出して行けば、全局面は無論出て来ない。たいていは一特質の重複に近くなります。もしA1A2A3A4[#「An」はそれぞれ縦中横、数字は上付き小書き]が因果の法則で連結されておって、この諸行為の内容に密接な類似を示すときは、重複が変じて発展となります。発展ではあるがA1[#「A1」は縦中横、「1」は上付き小書き]が基点であって、そのA1[#「A1」は
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