にも前と違ったところがないように親しくなったのです。けれども腹の中では、各自《てんでん》に各自《てんでん》の事を勝手に考えていたに違いありません。ある日私は突然往来でKに肉薄しました。私が第一に聞いたのは、この間の自白が私だけに限られているか、または奥さんやお嬢さんにも通じているかの点にあったのです。私のこれから取るべき態度は、この問いに対する彼の答え次第で極《き》めなければならないと、私は思ったのです。すると彼は外《ほか》の人にはまだ誰《だれ》にも打ち明けていないと明言しました。私は事情が自分の推察通りだったので、内心|嬉《うれ》しがりました。私はKの私より横着なのをよく知っていました。彼の度胸にも敵《かな》わないという自覚があったのです。けれども一方ではまた妙に彼を信じていました。学資の事で養家《ようか》を三年も欺《あざむ》いていた彼ですけれども、彼の信用は私に対して少しも損われていなかったのです。私はそれがためにかえって彼を信じ出したくらいです。だからいくら疑い深い私でも、明白な彼の答えを腹の中で否定する気は起りようがなかったのです。
私はまた彼に向って、彼の恋をどう取り扱うつ
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