関係に、こうまで隔《へだ》たりができずに済んだかも知れないと私は思うのです。彼の父はいうまでもなく僧侶《そうりょ》でした。けれども義理堅い点において、むしろ武士《さむらい》に似たところがありはしないかと疑われます。

     二十二

「Kの事件が一段落ついた後《あと》で、私《わたくし》は彼の姉の夫から長い封書を受け取りました。Kの養子に行った先は、この人の親類に当るのですから、彼を周旋した時にも、彼を復籍させた時にも、この人の意見が重きをなしていたのだと、Kは私に話して聞かせました。
 手紙にはその後Kがどうしているか知らせてくれと書いてありました。姉が心配しているから、なるべく早く返事を貰《もら》いたいという依頼も付け加えてありました。Kは寺を嗣《つ》いだ兄よりも、他家《たけ》へ縁づいたこの姉を好いていました。彼らはみんな一つ腹から生れた姉弟《きょうだい》ですけれども、この姉とKとの間には大分《だいぶ》年歯《とし》の差があったのです。それでKの小供《こども》の時分には、継母《ままはは》よりもこの姉の方が、かえって本当の母らしく見えたのでしょう。
 私はKに手紙を見せました。Kは何
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