落付をとる機械に窮しているだろう。余は未《いま》だに尻を持って居る。どうせ持っているものだから、先《ま》ずどっしりと、おろして、そう人の思わく通り急には動かない積《つも》りである。然し子規は又例の如く尻持たぬわが身につまされて、遠くから余の事を心配するといけないから、亡友に安心をさせる為め一言断って置く。
  明治三十九年十月



底本:「筑摩全集類聚版 夏目漱石全集 10」筑摩書房 
   1972(昭和47)年1月10日第1刷発行
※外字注記した「※[#コト、1−2−24]」は、昔カタカナの文章の中で、「こと」と読ませたもの。(校正者記す)
入力:Nana ohbe
校正:米田進
2002年5月10日作成
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