うな。
街へ、すぐ戻つた。
蕎麦を食べ、一本傾けた。
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  昭和十二年を送る
ことしもこゝにけふぎりの米五升[#「米五升」に傍点]
ことしもをはりの虫がまつくろ

 自己を省みて[#「自己を省みて」に白三角傍点]


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    新古今集より
 窓近き竹の葉すさぶ風の音にいとゞみじかきうたたねのゆめ      式子内親王
   朗詠――風生竹夜窓間臥
 道のべに清水流るゝ柳蔭しばしとてこそ立ちとまりつれ        西行法師
 夕づく日さすや庵りの柴の戸に寂しくもあるかひぐらしの声      前大納言忠良
 さびしさに堪へたる人の又もあれないほりならべむ冬の山里      西行法師
 かりそめの別れと今日を思へども今やまことの旅にもあるらむ     俊恵法師
 あけばまた越ゆべき山の峯なれや空ゆく月の末の白雲         藤原家隆
 年たけてまた越ゆべしと思ひきや命なりけりさよの中山        西行法師
 遙かなる岩のはざまにひとりゐて人目おもはで物思はばや       〃
 ながめわびそれとはなしに物ぞ思ふ雲のはたての夕ぐれの空      藤原通光
・鈴鹿山うきことよそにふりすてていかになりゆくわが身なるらむ    西行法師
 風に靡く富士のけぶりの空に消えてゆくへも知らぬ我が思ひかな    〃
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□苦しい節季であり、寂しい正月であつたが、今年はトンビを着ることが出来た、Iさんの温情を、Kが活かしてくれたのである、ありがたいことである。

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柿の葉[#「柿の葉」に傍点]の広告文として、層雲[#「層雲」に傍点]に発表した感想――
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句作三十年、俳句はほんたうにむつかしいと思ふ。
俳句は自然のままがよい、自己をいつはらないことである、よくてもわるくても、自分をあるじとする句[#「自分をあるじとする句」に傍点]でなければならない。
私はこの境地におちついて、かへりみてやましくない句[#「かへりみてやましくない句」に傍点]を作りたい。
私の句集は、私にあつては、私自身で積みかさねる墓標に外ならない。
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子に与へる句集
父らしくない父が子らしい子に与へる句集
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