もぐりこんで。――
Kさん来庵、大根と密[#「密」に「マヽ」の注記]柑とを頂戴する、生海苔があるといふので一杯やることになり、一応帰つて、酒と醤油と酢とを持参、ほどよく飲んで別れた、信州名物の蕎麦粉を御馳走したらたいへん喜んで下さつた、私もうれしかつた。
Kから、多々楼君から、ありがたい手紙を受け取つた、ほんとうにありがたかつた、おかげで悠々として年の瀬を越すことが出来る、(もう一度繰り返さう)ほんたうにありがたかつた。
その為替を持つて街へ出かける、そして払へるだけ払ひ、買へるだけ買ふ、例によつて湯田温泉へ、たまつた垢を洗ひ流す、ゆつくり飲んで、例の宿に泊る、愉快々々、上出来々々々、万歳々々(此費用弐円あまり)。
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   私の買物帳[#「私の買物帳」に傍点](山頭火師走風景)
一金壱円五十五銭  米五升
一金壱円弐十銭   木炭壱俵
一金五銭      塩
一金八銭      封筒
一金六銭      マツチ
一金九銭      味噌百目
一金十五銭     番茶
一金五十銭     下駄
一金壱円十銭    酒壱升
一金三十銭     なでしこ
一金十七銭     酢一瓶
一金六十三銭    醤油一升
一金四十五銭    石油一升
一金十五銭     湯札五枚
一金弐拾五銭    理髪料
一金四十五銭    麦三升
一金十銭      鰯十三尾
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 十二月二十一日[#「十二月二十一日」に二重傍線] 曇――晴。

あたゝかい師走風景である、朝のバスでめでたく帰庵、庵はいつも閑々寂々、枯草風景がなか/\美しい。
午後、街へ出かけていろ/\買物をする、そしていつもの癖で、あちらこちらで飲む、コツプ酒十杯位はひつかけたらう! おつつしみなさい、冷酒はおよしなさい!
暮れてから戻つた、そしてお茶漬さら/\いたゞいて寝た、飲みすぎて少し苦しかつた、それ見ろ、罰があたるぞ、いや、あたつてゐるぞ!
A店の旧債を払つたことは何よりうれしい、そして僕の食堂[#「僕の食堂」に傍点][#「僕」の左に「ヲレ」の注記」]、Y屋で一杯やることはこのうへないたのしみだ。
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□ウソをいふな、他人に対しても、自分に対しても。
 自分をゴマカすな、アマヤカすな。
□物を粗末にしないことはよいが、物惜しみするな、
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