私ばかり頂戴する、酒三杯、うどん三杯、大きな胃の腑ではある! 飲み足りないので、柄にもなく遠慮して、街へひとり出かけて、さらに飲み食ひする、酒六杯! そして酔つぱらつて――乱れない程度に――学校へ引き返して泊めて貰ふ、極楽々々。
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□我がままな飲食[#「我がままな飲食」に傍点]、気まぐれな性慾を排斥する[#「気まぐれな性慾を排斥する」に傍点]。
□物忘れすることは悪くない、自分自身をも時々は忘れるがよろしからう。
今日の私は本を忘れステツキを忘れ帽子を忘れた、だが、酒を忘れなかつた。
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十二[#「二」に「マヽ」の注記]廿九日[#「十二[#「二」に「マヽ」の注記]廿九日」に二重傍線] 日本晴。
霜白く雲かげなし、美しい日和[#「美しい日和」に傍点]。
朝飯をよばれてから帰庵。
飯三杯、汁三杯、茶三杯。――
誰も来てゐなかつた、敬君たうとう戻らなかつた。
宮市へ行きたいと考へてゐるところへ樹明君来庵、散歩しようといふ、ぶら/\歩く、名田島の方へ、途中、酒があるところでは飲む、Nさんに逢つて、案内され紹介される、父君も年をとられた、私も年が寄つたと思ふ、往事夢の如く――悪夢の如し、それからまた歩く、暮れてバスで小郡まで、そしてまた飲む、飲んで騷ぐ。……
十一月三十日[#「十一月三十日」に二重傍線] 晴――曇。
何しろ昨日の今日[#「昨日の今日」に傍点]でして。――
閉ぢ籠つて、岔水君が送つてくれた中央公論を読む、ともすれば昨夜の自分を反省して憂欝になる、樹明君とても多分おなじだらう!
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私の買物
一金三十銭 麦二升
一金六銭 焼酎半杯
一金三十弐銭 なでしこ大袋
一金四銭 葱一束
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十二月一日[#「十二月一日」に二重傍線] 晴。
いよ/\師走になつた。
身辺を整理せよ、心中を清算せよ。
午後、ポストまで出かける、ついでに入浴する。
月が毎夜うつくしい。
十二月二日[#「十二月二日」に二重傍線] 晴、曇、時雨。
あたゝかくて何よりと喜んでゐたら急に寒くなつた、風物がすつかり冬らしくなつた。
おとなしく冬ごもりすることだ。
冬は冬らしく、老人は老人らしく、私は私らしく、それがホントウだ。
肉体的にも胸中異変[#「胸中異変」に
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