た、人間は互に闘はなければならないのか、闘はなければならないならば、もつと正直に真剣に闘へ。
此二つの記事が何を教へるか、考ふべし、よく考ふべし。

 十一月廿七日[#「十一月廿七日」に二重傍線] 晴、読書と散歩と句と酒と、緑平居滞在。

緑平さんの深切に甘えて滞在することにする、緑平さんは心友だ、私を心から愛してくれる人だ、腹の中を口にすることは下手だが、手に現はして下さる、そこらを歩い見[#「い見」に「マヽ」の注記]たり、旅のたよりを書いたりする、奥さんが蓄音機をかけて旅情を慰めて下さる、――ありがたい一日だつた、かういふ一日は一年にも十年にも値する。
夜は二人で快い酔にひたりながら笑ひつゞけた、話しても話しても話は尽きない、枕を並べて寝ながら話しつゞけたことである。
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・生えたまゝの芒としてをく(緑平居)
・枝をさしのべてゐる冬木( 〃 )
 ゆつくり香春も観せていたゞく( 〃 )
・旅の或る日の蓄音機きかせてもらう( 〃 )
・風の黄ろい花のいちりん
 泥炭車《スキツプ》ひとりできてかへる
 泥炭山《ボタヤマ》ちかく飛行機のうなり
 夕日の机で旅のたより書く(緑平居)
・けふも暮れてゆく音につゝまれる
 あんなにちかいひゞきをきいてゐる(苦味生君に)
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糸田風景のよいところが、だん/\解つてきた、今度で緑平居訪問は四回であるが、昨日と今日とで、今まで知らなかつたよいところを見つけた、といふよりも味はつたと思ふ。

 十一月廿八日[#「十一月廿八日」に二重傍線] 晴、近郊探勝、行程三里、香春町(二五・中)

昨日もうらゝかな日和であつたが、今日はもつとほがらかなお天気である、歩いてゐて、しみ/″\歩くことの幸福を感じさせられた、明夜は句会、それまで近郊を歩くつもりで、八時緑平居を出る、どうも近来、停滞し勝ちで、あんまり安易に狎れたやうである、一日歩かなければ一日の堕落だ、などゝ考へながら河に沿うて伊田の方へのぼる、とても行乞なんか出来るものぢやない(緑平さんが、ちやんとドヤ銭とキス代とを下さつた、下さつたといへば星城子さんからも草鞋銭をいたゞいた)、このあたりの眺望は好きだ、山も水も草もよい、平凡で、そして何ともいへないものを蔵してゐる、朝霧にほんのりと浮びあがる香春、一ノ岳二ノ岳三ノ岳の姿にもひきつけられた、ボタ
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