いっています。
よい料理には「味の素」は不可
「味の素」は近来非常に宣伝されておりますが、私は「味の素」の味は気に入らない。料理人の傍《かたわ》らに置けば、不精《ぶしょう》から、どうしても過度に使うというようになってしまいますから、その味に災いされます。私どもは「味の素」をぜんぜん料理場に置かぬことにしています。「味の素」も使い方でお惣菜《そうざい》的料理に適する場合もあるでしょうが、そういうことは上等の料理の場合ではありません。今のところ、とにかく高級を意味する料理のためには、なるたけ「味の素」は使わないのがよいと思います。なんとしても上等の料理、最高の料理には、私の経験上「味の素」は味が低く、かつ、味が一定していけないと思います。こぶなりかつおぶしを自分の加減で調味するのがよいと思います。
蔬菜《そさい》は新鮮入手に努力すべし
野菜料理は相当の年配の方に好まれます。また、健康上からも、たいへんによろしいのであります。私は鎌倉で陶器をやっていますから、そこにわずかの畑を持っていまして、だいこんでも里芋《さといも》でもねぎでも、採《と》りたてのものばかりしか食べていませんが、この
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