水 附渡船
永井荷風
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)仏蘭西人《フランスじん》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)運河|沼沢《せうたく》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「求/(餮−殄)」、第4水準2−92−54]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)をり/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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仏蘭西人《フランスじん》ヱミル・マンユの著書都市美論の興味ある事は既にわが随筆「大窪《おほくぼ》だより」の中《うち》に述べて置いた。ヱミル・マンユは都市に対する水の美を論ずる一章に於て、広く世界各国の都市と其の河流《かりう》及び江湾の審美的関係より、更《さら》に進んで運河|沼沢《せうたく》噴水|橋梁《けうりやう》等《とう》の細節《さいせつ》に渉《わた》つて此《これ》を説き、猶《なほ》其の足《た》らざる処を補《おぎな》はんが為めに水流に映ずる市街燈火の美を論じてゐる。
今|試《こゝろ
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