。穀物が第一膏|而已《のみ》に相成候趣に御座候、今より二ヶ月も相立候得ば必病氣を除《のぞ》き可[#レ]申と、口を極めて申居候。此度は決而《きつと》全快仕可[#レ]申候間御安心可[#レ]被[#レ]成候。此度|荒々《あら/\》病氣の所行《なりゆき》も申上置候。恐々謹言。
  六月二十九日認[#地から2字上げ]西郷吉之助
 椎原與右衞門樣
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(按)此書簡は椎原國雄の所藏に係る。前文を逸す。思ふに明治六年ならんか。是歳は翁四十七歳にして、持病重かりしかば、特に陛下の思召に由り、獨醫の診察を受けたり。六月は、韓國問題漸く高潮せんとせる時期にして、十月には其議合はず、十一月には翁は彌々故山の人となりたり。
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底本:「西郷南洲遺訓」岩波文庫、岩波書店
   1939(昭和14)年2月2日第1刷発行
   1985(昭和60)年2月20日第26刷発行
初出:「西郷南洲遺訓」岩波文庫、岩波書店
   1939(昭和14)年2月2日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:田中哲郎
校正:川山隆
2008年7月10日作成
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