音。それに混って多勢の叫声、悲鳴。エエジャナイカの騒音。長五と子分三と手先が「オッ落ちた」といってその方を見る)
[#ここで字下げ終わり]
半助 それ、此奴等を眠らしちまって駆けつけろ!
[#ここから2字下げ]
(半助はじめ四人ドスを引っこ抜いて二人に突いてかかる)
[#ここで字下げ終わり]
長五 (殆ど冗談半分に)そら、突け、やれ突け! (子分二と三のドスを三、四合引っぱずして置いて持っている棒で相手の頸の辺をなぐりつける)そっちじゃ無えぞ! (その間に仙太は半助と子分一の刀をかわし、身を引くトタンに持っている棒を二人の足元目がけてバッと投げると、それがきまって半助が前へ突んのめってしまい、子分一はよろめいてストストと前へよろけ、茶店の屋台に頭をぶっつけて目をまわす。手先はドンドン逃げ出して行く)
仙太 口程にもねえ奴等だ。
長五 水でも喰らえ! (と子分二を締上げながら右の方へ押して行き、突飛ばすと茶店の斜裏が川になっているらしく、ドブーンの水音と子分二の悲鳴。仙太も黙って子分一の首を掴んで引きずって行き、川へ叩き込む。その隙を見て半助と子分三は刀を拾って町の方へ逃げ出して行く。長
前へ 次へ
全260ページ中46ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング