直諒をはじめとして文武諸館、神勢館の水戸藩土、浪人、あぶれ者、野士、百姓、町人、ならず者、都合その勢四千人、……オッと喋っちまっちゃ商売にゃならねえ。さ、買った買った、一枚三文! (いつの間にか止めていた足でまた駆け出す)天狗一揆がスッカリわかって三文たあ、安いもんだ! さあ買った。ケチケチするねえ江戸っ児だ。買ったっ! よし、じゃこれだけはご愛嬌に薩摩の守だ。それ! (と瓦版の二、三十枚を掴んで、観客席へ向ってパッと雲のように投げる)それつらつら古今の治乱を考うに、だ、治まる時は乱に入り、乱極まれば治に入るとかや、一乱一静は寒暑の去来するが如く、天のなすところにして人力のおよぶべきに非ず、チャンと本文に書いてあらあ。家衰えて孝子現われ、国乱れて忠臣現わるたあ、広小路の古今堂の先生のいい草だ。昇平打続くこと二百六十有余年四民鼓腹して太平を唱う折、馬関と浦賀に黒船が来てさ、さあ事だ。てんであわて出した、開港通商、尊王攘夷、ケンケンゴーゴー、へん尊王攘夷が笑わせやがらあ! とはいうもののこう世間がせちがらくなって民百姓が食えなくなりゃ、何とか世直しせざあなるめい、てんで、それ、表看板が尊王
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