! と叫んで再び斬込み、ガチッと音がして、吉村の刀が仙太の刀にからみついたようになって、そのまま間。――えいっ! と叫んで兵藤が仙太へつけ入る。仙太がムッ! といって身引いて兵藤の大刀を払ったのと、吉村がタタッと退って右端の縁端に出て半ば開けてある障子を小立てに取ったのと一緒。間髪を入れず、仙太兵藤を横になぐ。兵藤左小手をかすられて一歩退る。仙太、ないでおいてそのまま、右障子の方へ迫る。吉村、エイと叫んで障子ごと真向から仙太の肩へ斬りつける。仙太、身を沈めてムッと口の中で叫んで、これも障子ごと斜め下から突きを入れる。僅かの差で仙太の突き、決ってウオッと吉村叫んで縁側から向側へ落ちる。唸声)
甚伍 あっ! 吉村先生、吉村先生!
井上 仙太、この甚伍を! 甚伍を斬れっ!
兵藤 甚伍! 逃げろよいか、拙者も……。(いいながらも仙太に対して構えたまま、ジリジリ退る)
甚伍 逃げます! 私も逃げるから、あんた先に!
井上 くそっ! 逃げるとは卑怯っ!
甚伍 逃げる前に、そっちの奴に聞きてえ! 手前が斬った吉村先生が、どんな人だか貴様知って斬ったのか? 水戸の天狗が、どんなことを、云ったのか知らね
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