烽、ずっと来ねえが、おとついだか、敏ちゃんがやって来て、お母さんが一郎をおぶったまま行方《ゆきがた》が知れなくなったので、こちらへ来たんじゃねえかと思ってやって来た。そう言って、いや、来ねえと言うと、すぐまたその足で横浜の方へ行くと言って立去った。そう言ったそうで、仕方がないので金吾もそこそこにそこを立去って、保土ヶ谷の、その敦子さんの方へ行ってみたそうだ。したら、そこにも春子さんは姿を見せてねえ。横浜の空襲の時に、敦子さんの家が爆弾をうけて、そのとき、敦子さんは足を怪我をなすったそうでね、まだ寝てたそうな、その枕元で敏子さまは看病をしながらオロオロしていやしたそうな。仕方ねえので、こっちから運んで行った米だとか麦だとかを、そっくり置いて、その次の日にそこを飛び出した。金吾はどうしても春子さんを探し出す気でいただ。で金太郎と二人で東京へ引返してな、なんでも一度新宿へ出て、やっとのことで汽車の切符を一枚買って金太郎だけを信州に先に返した。東京で一緒にそうやって連れて歩いていて若い子にもしものことがあっちゃあならんと思ったらしい。どうも様子が、金吾はその時、どうで春子さんは空襲にやられて死
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