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(黙ってコンクリートの上を歩き出している足音一つ)
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金吾 さあ金太、
金太 うん。(二つの靴音が表へ向って)
警備員二 おい君君、もう一ときここに居た方がいいよ。
金吾 へえ、いいえ――
警備員二 第一、省線も停まっちゃったし、都電もまだ動いちゃいないよ。
金吾 いえ、わしあ、すぐそこだから。金太、早う来う。
金太 あい。(急いで立去って行く二人の靴音)

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(……シーンとした大通りを、二人が急ぎ足に歩いて行く)
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金太(あたりのあまりの静けさに、少し声をひそめるようにして)お父ちゃん。
金吾 おい。
金太 じょうぶ、静かだなあ。誰も通らねえし……いつもこうかや、東京は?
金吾 そんなこたあねえ、ふだんはここらは大勢の人が通ってるしな、電車だとか自動車がワンワン通ってるだ。空襲だから、こうだべ。
金太 春子おばさんの居る所はなんつうとこだい?
金吾 銀座つうところの裏だがな、そこに敏子さまが留守番をしている店があってな、そら、敦子おばさんの内の支店だ。
金太 だけど春子おばさん、どうして
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