「え、まだそれは伺いませんけれど――
石川 よし、私が行って見よう。(ドシドシと歩んで玄関の方へ。女中もそれに従って行く。マイクも)……やあ、いらっしゃい。
金吾 ああ、これは――
石川 柳沢さんと言うんですか? 黒田という人に会いたいそうだが、ここは石川で、何かのまちがいじゃないかね?

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(浜子も玄関に出て来る足音)
[#ここで字下げ終わり]

金吾 でも番地がこちらさまなもんでやして。わしは信州の南佐久から上京して参りやした――
石川 ああ、野辺山の黒田さんの別荘の管理をやっている――? 以前、私も社長について行ったことがある。それがしかし、急にどうしてここに――?
浜子 どうしたの、この人?
金吾 春子さまから手紙が参りやして。所がこちらになっていやすんで。
浜子 おっほほほ!(だしぬけに哄笑する)ははは! なんてえ事なの! そりやあんた、婆やの春のことじゃないの。はは! 春子さまか、笑わせるよホントに、どうしたのあんた!
金吾 はい、いえ、私あその方にお目にかかりたいと思いやして――
浜子 (笑い声を不意に引っこめて、どなりつける)冗談じゃないよ! 飯た
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