りする事はほとんどなく、ただ書かれ印刷されチラクラとただ過ぎ去って行くだけです。
 演劇雑誌の一つを編集なさっているあなたに向って、このような事を言うのは、非礼である以上に残酷なことだと思います。怒られてもしかたの無いことです。ただ私はあなたがたの努力を、なるべくムダにしたくないだけなのです。あなたがたは、時に御自分の仕事に空虚や憂ウツやタイクツを感じられないのでしょうか? そして、それが、われわれの演劇からも演劇雑誌からも、何か一番大事なものが失われてしまっているためではないかと考えられた事は無いでしょうか。たしかに、それは失われています。私はそう思います。それをわれわれは手に入れなければ、とてももう、やって行けないでしょう。そして、それを手に入れるためには、あなたや私――われわれに共通したものとして、先ずこの大きな喪失が痛感されることが必要だと思ったのです。

4 平和運動について――ある評論雑誌の編集者へ

 Dさん――
 ちかごろの綜合雑誌や評論雑誌に、戦争防止、世界平和運動についての文章の三つや四つ現われていない月はありません。あなたの雑誌にもほとんど毎号一篇はそれに関係のあ
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