カゃないか。それくらいのことで俺はポールを失ってはならない。失ってはならない。素直に、素直に、素直になって、俺はポールに詑びを言わなければならない。ければならない。
ヴィン (低くつぶやく)ければならない。ければならない。うん。
ラシ 何をブツブツ言ってるのよ。お食べよパンを。
ゴー どうした、うまく描けたかね? ……風がひどかっただろう?
ヴィン う? ああ、いや。
ラシ ホホ、ぼんやりしちゃ、いやだわよ。ね、フウ・ルウ、今夜お店へ来ない? いっしょにアブサン飲んで踊りましょうよ。そしたら元気が出るわよ。ううん、お金がなきゃ、なくてもいいわ。その代り、持って来て、ね、これ?(とヴィンセントの左の耳を引っぱる)ホホ、よくって? 来るわねフウ・ルウ?(ヴィンセント無言でうなずく)
ヴィンセントの声 この女は何を言っているんだ? さっきはゴーガンと抱き合っていて、こんどは、こんなことを言っている。こんな無邪気な顔をして、こんな明るい目をして、パンを食えと言って、金がなければ耳を持って来いと言って、耳? 耳、耳? 俺にはわけがわからない。どう言うんだ? どう考えたらいいんだ? わけがわからな
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