んといわれるままに、なかには本気になっていた者も居るんだから、なんだ、君に対して、君を、つまりハクガイしたりした者も居ただろうけど――いや、ほとんどみんな、そうだったかも知れんけれど、それは支配階級からゴマかされてホントの事を見ることが出来なかったからの事で――しかし今はもうわれわれは解放されて自由になったんだから――だから、みんな、あの時は、君に対してすまない事をしたと思っているんだと思うから、それで、まあ、こうして君を迎えて話を聞きたいというのも、つまり、そういう気持のあらわれ――
友吉 いえ、とんでもない、すまないのは僕なんです。(司会者の言葉を全く正反対に取りちがえてあわてている)僕ですよ。あの、最後にケンペイに連れて行かれる時だって、運動場でみんなから、ぶたれたり、けられたりして……みんなの中にはくやしがって泣きながら僕をけってる人もおります……されながら、僕は、ホントにつらかったです。昨日まで仲よくいっしょに働らいていた人たちから、自分だけが人とちがった事を考えているために、こんなに怒られている。そう思うと、よっぽど、あんときに、エスさまを捨ててしまおうかしらんと考えたりしました。しかし、どうしても、そう出来なかったんです。ですから、みんなにすまないと思って、心の中で手を合せながら連れて行かれました。しかたがなかったんです。……
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(彼が正直に熱心に語れば語るほど、一同との間がグレハマになって行く。その事に友吉は気が附かない)
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声一 (客席の前部の中から)エヘヘ、ヘ、ヘヘヘ!
声二 (同じく)なあんだい!(この二人の調子は嘲笑――というよりも、ムキになって嘲笑するにもあたいしないものをヒヤカすように)
声三 しかし――(と、これは友吉をかばうように)あん時、みんなで蹴とばしたのは、ホントだからなあ。こんなふうになったからって、おれたちも、よく考えてみなきゃ、いかんと思うんだ。
声一 (ふんがいした激しい調子で)なにを考えるんだい!おれたちは今、ストライキに入ろうとしてるんだよ! ベンベンとして、こんな話を聞いている事あないと思うんだ! 
声三 だけど、おれたちも人間だ。チットは恥を知らなきゃならんと思うんだ。片倉君のどこが悪いんだよ!
声一 悪くはねえよ。エスさまだよ、やっぱし片倉君は! 天にまします!(二
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