nt《レガアル》〕 de《ド》 〔the'《テエ》〕.」(だがあの人達に言つて聞かせて下さいよ。わたしがあの人達に遣るのは、蝋燭代ではありません。あの人達が一しよにお茶を飲むやうにと思ふのです。)
「お茶だ、お茶だ。Pour《プウル》 vous《ヴウ》, mon《モン》 vieux《ヰヨオ》.」(お前にだよ。爺いさん)かう言ひ足して、フランス人は笑つて、手袋を嵌めた右の手で、セルギウスの肩を叩いた。
「あなたには神様が報をなさりませう。」セルギウスは帽子を手に持て禿た頭を地まで下げて礼をした。
セルギウスの為めには、此出会が特別に嬉しかつた。どの位人の思はくを構はずにゐる事が出来るか験して見たのだと思つたからである。セルギウスは人のくれた二十コペエケンを受け取つて仲間の盲人に遣つた。人の思はくを顧みぬやうになればなる程、神の存在を感ずる事が出来て来るのである。
セルギウスは八箇月の間村から村へさまよつた。九箇月目に或る県の町に出て、合宿所に泊まつてゐると、巡査が来て、旅行券の無い男だと云ふので、外の巡礼仲間と一しよに拘引した。「お前は誰だ。旅行券はないか」と問へば、「わたくしは神の
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