オル、マルブランシユ、ヱルゼンブルヒ、プロイス、リムビヨツク諸家の報告の如き事実をも承認せざることを得ざる可く候。母も最早気の毒なる面持にて、小生に握手する如きこと有之まじく、必ずや妻に向ひて罪を謝するならむと存じ候。此手紙には此上書く可き事も無之候。掛時計は一時を報じ候。さらば、我家族よ、小生は今一度|傍《かたはら》なる室に行きて妻子に接吻し、さて此家を立ち出づ可く候。



底本:「鴎外選集 第十四巻」岩波書店
   1979(昭和54)年12月19日
初出:「明星 申歳一」
   1908(明治41)年1月1日
入力:tatsuki
校正:浅原庸子
2001年10月23日公開
2005年12月27日修正
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