ず。語音移動[#「語音移動」に白丸傍点](LAUTVERSCHIEBUNG)の法則に從ひて※[#「てへん+僉」、第3水準1−84−94]すれば、尋常以て繪聲語と爲す所のもの、概ね皆繪聲に非ざることを知る。其の間ま明に繪聲たるを認むべきものも能く派生語を形づくること少しと。學人の語原證例中、父母食の語を除く他、多少繪聲問題に關す。特に鷄の條の諸語は MUELLER の書其關係を詳叙せり。但だ KUCKUCK は CUCULUS CANORUS L. にして鷄の GALLUS DOMESTICUS BRISS. と異なるのみ。此二鳥の名は並に繪聲なり。左の如し。
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甲。KOKILA (梵)
KOKKYX (希)
〔CUCU^LUS〕 (拉)
KUCKUCK (獨)
乙。KUKKUTA (梵)
COCK (英)
[#ここで字下げ終わり]
最後に注意すべきは語原の穿鑿上、諸方の言語の同系異系を顧慮することを要する一事なり。所謂印度日耳曼語と日本語と支那語とは、尋常以て異系と爲す所にして、異系の言語に語根樣要素の共通あることは、從來學者の之
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