而して其の用語は MUELLER に從ひて、※[#「口+斗」、26−6]聲に關する一切の事を間投的[#「間投的」に白丸傍点]語原の問題(INTERJECTIONAL)と名づけ、所謂言語の原料の一部(證例の半)の事を繪聲的[#「繪聲的」に白丸傍点]語原の問題(ONOMATOPOETISCH)と名づくるに若かずと。繪聲(ONOMATOPOEIE)の語は希臘以來の意義幾多の變遷を閲し來り、稍や誤解を招き易き嫌あるより、學者往々他語を以て之に代へんとしたることあり。或は摸聲(IMSONISCH, IMITATIO+SONUS)と云ひ、或は感知(PATHOGNOMISCH)と云ひ、又 MUELLER は初め WAU−WAU−THEORIE の名を下して、以て間投的語原論の PAH−PAH−THEORIE に對せしが、人の其卑俚にして學者を侮辱するに似たるを難ずるに逢ひて、後之を撤囘せり。要するに繪聲の語の廣く通ぜるに若かず。是より間投的語原の問題を略述せん。※[#「口+斗」、26−11]聲(SCHREI)は果して能く語原たるべき乎。HERDER は夙に以爲へらく。※[#「口+斗」、26−11]聲
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