公認競馬でも馬券を余計売れば宜いのですけれども、掛つて居る人が取敢ず相当な人がやつて居るから、余り急がぬのです。
日本には公認競馬十一箇所、草競馬は百以上もある。公認競馬は皆規則は共通で、只入場料が二円と三円です。東京の方は二円と五円、外に何処も変りはありませぬ。只他の競馬場は幾らか賞金が少ない、何と云ふても目黒が矢張一番宜いでせう。目黒、横浜、大阪、京都と云ふ順のやうです。今度中山が出来ました、併し中山は今の所京都の次位の馬券の売れです。是は益々売れて居ります、東京の人が行きますからね。
今迄の十円馬券の時で、配当無制限の時分には随分ありましたけれども、私は其間にはあれで一寸夢中になつて二年目か三年目に馬券が廃止であつたものですからね、僅に此前の馬券は四五年間でせう。やつて見て余り乱暴になつて来たので止めてしまつたらしいのです。
底本:「日本の名随筆 別巻80 競馬」作品社
1997(平成9)年10月25日第1刷発行
底本の親本:「グロテスク」
1929(昭和4)年9月号
初出:「グロテスク」
1929(昭和4)年9月号
入力:浦山敦子
校正:noriko saito
2008年7月19日作成
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