28−2]妹を恥の生活に導いた。眞の藝術は創作者の幸福と滿足と純潔を表はしたものでなければならぬ。そして若しあなた方が[#「あなた方が」は底本では「あなた方々が」]吾々の間にかかる藝術を復活させたいと思ふならば、この場合あなた方の大部分がカデイを用ゐなければならぬ。
 又自治の計畫を成就するには、カデイの使用が必要であるばかりではなく、あなた方が一人殘らず暇な時に絲を紡ぐことが絶對的に必要である。私は子供たちや男子にも紡ぐやうに勸めた。實際數千人の者が毎日紡いでゐるのだ。手紡ぎの重な負擔は、昔のやうにあなた方が負はねばならぬ。二百年前には、印度の婦人は、國内の需要に應ずるために紡いだばかりではなく、外國の需要にも應じたのである。彼等は粗末な品ばかりではなく、世界で嘗つて見なかつたやうな最も立派な品を紡いだのである。いかなる機械を用ゐても吾々の祖先が昔紡いだ絲のやうに綺麗な絲は出來なかつたのだ。そこで、若し吾々が二ヶ月間とその以後に於てもカデイの需用に應じようとするならば、あなた方は紡績倶樂部を作り、紡績共進會を開いて、手紡ぎの絲で印度の市場を一ぱいにしなければならぬ。この目的を達するためには、あなた方のうちの或る方は、絲の紡ぎ方、梳き方、紡車の使ひ方に熟達しなければならぬ。これは斷間のない勞働である。あなた方は絲紡ぎを生活の手段とは考へないであらう。然し、中流階級にとつては、それは家族の收入の補ひとなり、極く貧しい婦人にとつては、それは疑ひもなく生活の手段となるのである。紡車は、嘗つてそれが寡婦の好伴侶であつたやうにならなければならぬ。けれども、この文章を讀まれるあなた方にとつては、それは義務として、ダールマ(信仰)として置かれるのだ。若し富める印度の婦人たちが毎日幾らかづつ絲紡ぎをするならば、絲の値は安くなり、必要な精巧品も速かに供給されるやうになるだらう。
 かやうに印度の經濟上及び精神上の救ひは、主としてあなた方の双肩にかかつてゐるのである。[#「ゐるのである。」は底本では「ゐるのである」]印度の將來はあなた方の膝の上に横はつてゐる。何となれば、あなた方は未來の國民を養育される方だからである。あなた方は印度の子供を純朴で、神を怖るる、勇敢な男女に育て上げることも出來るし、又彼等を甘やかして、人生の荒波を乘切ることの出來ない、外國の美服を※[#「纏」の「广」に代
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