いか。そこに吾々のプルシヤルサがあるのではないか。私は印度ぢゆうを旅行したが、貧民の心を裂くやうな叫聲を聞くに耐へなかつた。若き者も年老いたる者もすべて私に對ひ「私たちは安い衣類を手に入れることが出來ない、高い衣類は金がないから買へない。食物も、衣類も、その他のすべての物が高價だ。私たちはどうしたらいいのか」と云つて絶望の色を浮べるのだ。これ等の人民を滿足させるやうな答をするのが私の義務である。それは國家に奉仕するすべての者の義務である。しかし、私は滿足な答をすることが出來ない。わが國の原料が歐羅巴へ輸出されるので、それがために吾々が高い値段を拂はねばならぬことは、思慮ある印度人にとつては耐へ難いことであらねばならぬ。これに對する最初にして最後の救濟法はスワデシである。吾々はわが國の綿を何人に賣る必要もないのだ。そして全印度にスワデシの反響が鳴りひびく時、綿の製産者は外國で製造させるために綿を賣らぬやうになるだらう。スワデシが印度中に行渡る時に、すべての人が何故綿がその生産地に於て精練され、紡織されねばならぬかに就て定見を有するに至るであらう、スワデシのマントラが民衆の耳朶にひびく時、
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