ヅラフジに相違ないか如何。今同氏の原記載文を精読してみてもどうも少々腑に落ちない点もあるので、これはどうしても Thunberg の原記載文を産んだ原標品を見ないと、確信をもってこれを裁断することは出来ないと思っている。
 今日植物界で Cocculus trilobus DC[#「DC」は斜体]. をアオツヅラフジと呼んでいる誤謬を世人に強いたのはかの小野蘭山であって、彼の著『本草綱目啓蒙』でそうした。全く蘭山が悪いので、どうも蘭山ともあろう大学者がツヅラフジの認識を誤っているとは盛名ある同先生にも似合わないことだ。そしてその当時から幾多の学者があってもその目は節穴同然で、誰もその非を唱えたものはなかったが、しかし一人紀州の畔田翠山《くろだすいざん》は偉い学者で、このツヅラフジをよく正解しこれを彼の著『古名録《こめいろく》』に書いて、その正しい名を世人におしえた。すなわちそれはカミエビであった。このカミエビは多分神※[#「くさかんむり/嬰」、第4水準2−87−16]※[#「くさかんむり/奧」、第4水準2−86−89]の意であろうと思うが、カミはあるいは別の意味かも知れない。ゆえに今日
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