ゆえにチョット一時寄留するに過ぎない草のようである。
私の考えるところでは、何がその実を日本へ持って来るのかというと、風か、否な、それは疑いもなく水禽《ミズドリ》であろう。何んの水禽か。私は鳥類には全くの素人であるから分らんが、多分雁か、鴨などのような渡り鳥が秋の末にこのカヤツリ草の繁茂している朝鮮などの田甫で食物を漁さるとき、泥にまじったこの草の細かいその実すなわち種子様小堅果を偶然に脚へ着けるか、あるいは羽の間へはいったのをそのまま日本へ飛んできて、この地で新たに食物を求め捜がすとき、自然それを池などへ落すのである。そしてこの事実が始終繰り返されているのである。
以上書いた事実は、従来まだ誰もが説破しなかったものであった。
ついでに書いてみるが、上の岩崎灌園の『本草図譜』巻之七にはカヤツリグサ科植物が十一種載っている。先に大沼宏平君がその学名を校訂して刊行の『図譜』に書いているが、誤謬があるから今ここに右大沼君の校訂をさらに校訂してみよう。
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荊三稜《けいさんりょう》 みくり(和名鈔) ←(大沼是)
おほかやつり ←(大沼是)
莎草香付子《しょうそうこ
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