である。

  朝鮮のワングルとカンエンガヤツリ

 カヤツリグサ科の中にカンエンガヤツリ(灌園蚊屋釣の意)という緑色一年生の大きなカヤツリグサ一種があって Cyperus Iwasakii Makino[#「Makino」は斜体] の学名を有する。これは岩崎灌園の著『本草図譜』巻之七にその図が出て、灌園はそれを「水莎草《すいしょうそう》(救荒本草 磚子苗注)水生のかやつりぐさなり苗葉三稜に似て陸生[牧野いう、陸生の意味分らぬ]より長大なり高さ三四尺武州不忍の池に多し」と書いている。ただしこれを単に名のみしか書いてない右『救荒本草』の水莎草にあてるのはじつによい加減な想像で、なんら信拠するに足らないものである。しかしそれはそれとして、とにかく灌園が初めてこの図を公にした功を称え、先きに上の記念学名を発表したゆえんである。
 このカンエンガヤツリは元来日本の植物ではなく、それは南鮮方面の原産である。同国ではこれを莞草《カンチョウ》、すなわちワングルまたはワンコル(Wangkul)と称え、人によってはタタミガヤツリの名をつくっている。これ筵席を織って経済的に利用している著明な草本で、京畿の
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