ニフスベはキツネノチャブクロ科で、その学名は今日では Lasiosphaera nipponica Kobayashi[#「Kobayashi」は斜体] となっているが、もとの学名は Calvatia nipponica[#「Calvatia nipponica」は斜体] Kawamura であって、これを日本の特産菌と認め初めてその新学名を作り発表したのは川村清一《かわむらせいいち》博士であった。

[#「キツネノヘダマすなわちオニフスベLasiosphaera nipponica Kobayashi[#「Kobayashi」は斜体](=Calvatia nipponica[#「Calvatia nipponica」は斜体] Kawamura)」のキャプション付きの図(fig46820_06.png)入る]

  紀州高野山の蛇柳

 紀州の国は名だたる高野山の寺の境内地に、昔から蛇柳《ジャヤナギ》と呼ばれている数株のヤナギの木があって、近い頃まで生存し有名なものであったが、惜しいことには今枯れたとのことを聞いた。その幹は横斜屈曲して枝椏を分ち葉を着け繁っている。先年私はこの高野山に
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