の本邦野生のものには雌本もあれば雄本もある。
 トロロにするにはヤマノイモ(一名ジネンジョウ)の方がまさっている。ナガイモの方には粘力が比較的少なくて劣っている。そしてこのように生のまま食う根は他にはない。クログワイ、オオクログワイは生でも食えるけれど、これはじつは塊茎で真の根ではない。サツマイモは真の根だけれど、それは子供等がいたずらにかじっているくらいで、一般には誰も生ま薯を賞味することはない。
 ヤマノイモが鰻になるとはもちろんじつはウソの皮だが、鰻もヤマノイモも共に精力を増す滋養満点の物だから、その両方の一致した滋養能力から考えて、このように名言を作っていったのではなかろうか。書物によると、ヤマノイモの根が山岸のところで露われ出て、水の流れへ浸り込むと、それがたちまち化して鰻になるとまことしやかに書かれている。
 ヤマノイモもナガイモも共に蔓上葉腋にいわゆるムカゴ一名ヌカゴすなわち零余子ができる。今これを採り集めて植えると幾らでも新仔苗がはえて繁殖する。またムカゴは無論食用にもなる。
 前記のようにナガイモには薯蕷の漢名があるが、ヤマノイモにはそれがない。
 Yam という字が
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