烽チて今日にいたるもなお人々がヨモギを蓬と書いて怪まないが、私はなんら怪まずにかく人々の頭を怪まずにはいられない。古えよりとんでもない間違いをしてくれたもんだ。
ヨモギ(Artemisia vulgaris L[#「L」は斜体]. var. indica Maxim[#「Maxim」は斜体].)は艾《ガイ》と書くのが本当だ。元来これはモグサ(燃え草の省略せられたもので、横文字でも Moxa と書くのは面白い)に製する草であるが、今は多くヨモギの姉妹品であるヤマヨモギ(Artemisia vulgaris L[#「L」は斜体]. var. vulgatissima Bess[#「Bess」は斜体].)を用いている。これは形が普通のヨモギよりも大きく、日本中部から以北の山地には最も分量多く普通に生じているものだ。葉も大きいからモグサに製するのに量があってよろしい。モグサには葉の裏の綿毛が役立つ。
またヨモギは誰もが知っている通り春の嫩葉《わかば》を採って餅へ搗きこみ、ヨモギ餅をこしらえる。色が緑でかつ香いがあってよい。そこで普通にこれをモチクサととなえる。
蓬をヨモギとするのは前述の
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