P9]柳《テイリュウ》、すなわちギョリュウ(御柳の意)は、タッタ一種のみで他の種類は絶対にない。しかしそれを二、三種もあるかのように思うのは不詮索の結果であり、幻想であり、また錯覚である。
 このギョリュウの学名は疑いもなく Tamarix chinensis Lour[#「Lour」は斜体]. であるが、学者によっては日本にあるギョリュウは Tamarix juniperina Bunge[#「Bunge」は斜体] であるといわれる。そうなると右はいずれが本当か。今これを裁判して判決するのはまことに興味ある問題であるばかりではなく、この判決は疑いもなく世界の学者にその依るところを知らしめる宣言であり、また警鐘である。
 さて日本にあるギョリュウは一樹でありながら、その一面は Tamarix chinensis Lour[#「Lour」は斜体]. であり、またその一面は Tamarix juniperina Bunge[#「Bunge」は斜体] である。すなわちこのギョリュウは五月頃まず去年の旧枝に花が咲いて、これに Tamarix juniperina Bunge[#「Bunge」は
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