sほぞ》から上の影は自然の形で背後に落ちる――とあるのだから、b[#「b」は太字]からn[#「n」は太字]――すなわちp[#「p」は太字]からb[#「b」は太字]までは、依然そのままで差支えないのだ。けれども、続く後半になると、変化が起ってくる。
 臍《ほぞ》より下の影が、差してくる陽に逆らって前方に投影するという文章の解釈は、影――すなわちABC《アルファベット》の順序を、今度は逆にしろという暗示に相違ないのだ。そこで、前半の排列をそのままに進めてゆけば、当然nの次のpに符合するのが、b[#「b」は太字]の次のc[#「c」は太字]になる順序だ。けれども、それを転倒させて、最終のzに当るはずのn[#「n」は太字]を、pに当てるのだ。したがって、pqrsに対してcdfg[#「cdfg」は太字]――とするところを、nmlk[#「nmlk」は太字]……と、尻から逆立ちにした形で符合させてゆく。だから結局、子音の暗号が、次のような排列になってしまうのだよ。

[#ここから2字下げ]
bcdfghjklmnpqrstvwxyz[#「bcdfghjklmnpqrstvwxyz」は太字]
pqrst
前へ 次へ
全700ページ中570ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
小栗 虫太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング