オて小刻みだと云うのみで、歩線も至って整然としている。そして、疑問と云うのは、かえって靴型の方にあったのだ。つまり、爪先と踵と両端がグッと窪んでいて、しかも、内側に偏曲した内翻の形を示している。またさらに、それが中央へ行くに従い、浅くなっているのだ。勿論、乾板の破片を挾んでいるのだから、その二条の靴跡が何を目的としたか――それはすでに、明らかだと云って差支えないだろう。しかも、それが時間的にも、あの夜雨が降り止んだ、十一時半以後であることが証明されているし、また、一個所|套靴《オヴァ・シューズ》の方が園芸靴を踏んでいて、二人がその場所に辿《たど》りついた前後も、明らかにされているのだ。ところが、仮令《たとえ》これだけの疑題《クエスチョネーア》を提供されても、その結論に至って、僕等は些《いささ》かもまごつくところはないのだよ。実際家の熊城君なんぞは既《とう》に気がついているだろうが、その二つの足型を採証的に解釈してみると、大男のレヴェズが履く套靴《オヴァ・シューズ》の方には、さらにより以上|魁偉《かいい》な巨人が想像され、また、侏儒《こびと》の園芸靴を履いた主は、むしろ易介以下の、リリパ
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