rハインド・ステイヤス》 すなわち大階段の裏[#「大階段の裏」に傍点]だったからだ。解読を終ると法水は静かに云った。
「そこで、大階段の裏――という意味を詮索してみたが、それには、ほとんど疑惑を差し挾む余地はない。あそこには、テレーズ人形を入れてある室と、それに隣り合っている小部屋しかないからだ。それに、恐らくその解答も、大時代な秘密築城《ボーデルヴィッツ》風景にすぎまいと思うね――隠扉《かくしど》、坑道。ハハハハハ、だいたいどういう意志で、ディグスビイが十二宮《ゾーディアック》に秘密記法を残したろうと、そんなことはこの際問題ではない。サア、さっそくこれから黒死館に行って、クリヴォフの|肉附け《モデリング》をやろうじゃないか」と法水が喫《す》いさしを灰皿の上で揉み潰すと、検事は少女《おとめ》のように顔を紅くして、法水に云った。
「ああ、今日の君はロバチェフスキイ([#ここから割り注]非ユークリッド幾何の創始者[#ここで割り注終わり])だよ。いかにも、天狼星《シリウス》の最大視差《マキシマム・パララックス》が計算されたのだから!」
「いや、その功労なら、シュニッツラーに帰してもらおう」法
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