Gスピノザは、彼を生地サントニアの荘園に送り還してしまったのだ。ところが、それから一、二ヶ月後に、エスピノザはこういうフォスコロの書翰《しょかん》を受取ったのだが、同封の紙片に描かれたマッツオラタ([#ここから割り注]中世伊太利でカーニバル季における最も獣的な刑罰[#ここで割り注終わり])の器械化を見て、思わず一驚を喫してしまった。
――セヴィリアの公刑所には、十字架と拷問《ごうもん》の刑具と相併立せり。されど、神もし地獄の陰火を点《とも》し、永遠限りなくそれを輝かさんと欲せんには、まず公刑所の建物より、回教《サラセン》式の丈高き拱格《アーチ》を逐《お》うにあらん。吾《われ》、サントニアに来りてより、昔ゴーティア人《びと》の残せし暗き古荘に棲む。実に、その荘は特種の性質を有せり。すなわちそれ自身がすでに、人間諸種の苦悩を熟慮したる思想を現わすものにして、吾《われ》そこにおいて種々の酷刑を結合しあるいは比較して、終《つい》にその術において完全なる技師となれり――と。
ねえ熊城君、こういう凄惨な独白《せりふ》は、そもそも何が語らせたのだろうか。どうしてフォスコロの嗜血癖が、残忍な拷問刑
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