にいうに、
『でも、区役所からきたビラには、うどんと麺包を食えといって、奨励しているじゃありませんか』
と、妹がこれに和して、
『そうねえ。お父さんは随分認識不足だわ』
と、いって相手にしない。
お上《かみ》の達しには、個々の家計など眼中にないということが、子供たちには分からないのだ。どこへ、尻を持って行きようもないと思う。[#地付き](一五・一・二一)
底本:「完本 たぬき汁」つり人ノベルズ、つり人社
1993(平成5)年2月10日第1刷発行
底本の親本:「随筆たぬき汁」白鴎社
1953(昭和28)年10月発行
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2007年4月2日作成
青空文庫作成ファイル:
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