に生れた、若い雌鶏などは、ころげまはつて笑ひました。
『わたし、こんなにお可笑しい目にあつたのは生れて始めてだわ』
 といひました。
 すると傍から『フン』と鼻先で、意地悪さうに、
『青つ葉が転げ落ちたくらいで、そんなにお可笑しいものかね――』
 といふものがをりました、それはこの鶏たちの家族の中で、いつも意地悪を言つて嫌はれものの、一羽の雌鶏でした、この雌鶏は、もうたいへん歳をとつて、からだはヨボヨボでしたが、口は若い者に負けませんでした、そしてみんなと散歩にでても、自分から地を掘つたり、草の根を掻きわけたりして、餌を探すやうなことはなく、他の鶏の発見した餌を、横合からやつてきて奪ひとりました、また自分で餌をみつけると、羽をひろげて隠しましたので、鶏たちは誰も相手にしませんでした。
『お婆さんも、もう餌を拾ふのが、面倒になつたのだね』
 と或る日、雄鶏がいつたことがありました。
『ああ、さうだよ、わしももうながいこと生きれないよ』
 と婆さん鶏は、しんみりとした声でいひましたので、雄鶏もちよつと可哀さうに思ひました、しかしそのくせ婆さん鶏は、長生《ながいき》をいたしました。
 百姓の
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