した。(小熊夫人書き写し)

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タマネギになつたお話

 悪魔は、小さな村にやつてきました。誰にも気付かれないやうに、村はづれの一軒の百姓家の、鶏小舎の中にしのび込みました。
 この小悪魔は、それはしづかに、しづかに、足音もたてないやうにしのび込んだのでした。しかし耳さとい雄鶏は、早くも小悪魔の姿をみつけたので、大きな声をはりあげました。
『さあ、みんな戸じまりをしつかりして』
 と雌鶏たちに注意をいたしました。
 そこで雌鶏たちは、悪い卵泥棒がしのびこんだなと思ひましたので、用心をすることにいたしました。
 なかにはつむつた眼を、かはるがはる明[#「明」に「ママ」の注記]けて用心をしながら眠つてゐるものもありました。
『お前さんは、なんて人相のわるい男だらうね、耳のかつこうといつたら、俺たちのケヅメそつくりにとがつてゐるし』
 雄鶏は、鶏小屋の梁の上に、眼をしよぼ、しよぼ、さしてうづくまつてゐる悪魔を仰ぎながら言ひますと、悪魔は、うるささうにじろり、と見下したきり、それには答へませんでした。鶏たちがゆだんをしてゐたら、そこからとび下りて、喰べてしまはうとして
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