れた瞬間
反逆的な思想は光彩を発して
飛沫は高く天にのぼる、
瞬間的な喜びへ
すぐ訣別の時がやつてくる、
あゝそして喜びや失望やらが前後して
美しく光つて河下へ下る
[#ここで字下げ終わり]


ハンマーマンの歌

力のかぎり
打撃《う》つことの
悦こびよ、ハンマーマン

整[#「整」に「ママ」の注記]確に
打撃《う》つことの
勝利よ、ハンマーマン

快楽は
打撃《う》つことの
労働よ、ハンマーマン

ハンマーマン
[#ここから3字下げ]
ハンマーマン
[#ここで字下げ終わり]

われらは鉄の友
われらは火の主人《あるじ》
われらこそは
ハンマーマン


便乗丸船長へ

君は次から次へと
波へ乗ることの巧みな
便乗丸の船長だ、
君はいつも地の利を応用する
またいつも太陽を背にして
このマブシイものを利用しながら
指導者ぶつて
号令をかけることを忘れない
ヒステリックにそして叫ぶ
――指路をさへぎるものは
 すべて罰当りだ――と
しかし我々はフンと笑つてやる、
君は海には悪擦れするほど
馴れてはゐるが
きつと一度はほんとうの海の塩辛い味を
知ることがあるだらう――。



底本:未収録詩
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