クがあり、其の内へ這入つて水を浴びて居る、其水溜は又風呂塲ともなり洗濯塲ともなれば田の灌漑にも用ひられる、以上の行は佛時代にやつて居つた一例であります、今の苦行者も此等の方法は皆やつて居りますが、段々と新しい工夫を考へ何でも人のやれないやうなことをなすものもある、現時普通に行はるるものの二三を云へば、先づ五火の苦行があり、是れも昔からあつたものであるが、四方に薪を集めて火を燃やし自分は眞中に坐つて居る、其の坐つて居る前にモー一つ火を焚くこともあるが、又前の火だけは是れを止め苦行者が天の日を凝視して居ることもある、何れも五火となる、寒い所なら宜いが、印度のやうな熱帶地方での火攻めは中々容易なことではない、まだ不思議なのは木の枝から繩を下げて自分の胴を結はひて、そして斜になつて前方へ寄掛つて居つたり、或は片足で立つて居る、是時は片方の手で一足を上へ持ち擧げて居るのである、モツと不思議なのは木を三本[#木を三本組み合わせた図(fig46297_01.png)入る]斯う云ふ工合に寄せ、上から繩で足をクヽり附けて倒まに釣り下つて居つたり、又は太い鎖の長いやつを首の邊から身體全體に卷附けて立つて居
前へ 次へ
全41ページ中8ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
松本 文三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング