巡回書庫と町村図書館と
佐野友三郎
−−
【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「読書趣味は日増に喚起せられ遂に閲覧室の設立を促せり」に傍点]
−−
余等は戦後教育上の経営として、通俗図書館がきわめて重要の地位を占むべしといえり。しかして、今や図書館経営の機運、まさに熟しこれが設立はいたるところに計画せられつつあり。余等、今日において早く自ら進みてこれが経営に着手せざれば、他日、社会の大勢に余儀なくせられて、これが設備を強いられんこと必せり。
本邦に於ける巡回書庫は、余等、さきにこれを秋田県に試み、今日、これを本県に施設せるのみなれば、これが成績としては、徴すべきもの多からざれども、これを米国に見るに、巡回書庫は、町村図書館の先駆として、随処に歓迎せられつつあるなり。千八百九十三年、ニユーヨーク州において、始めて巡回書庫を施設するや、幾もなくして「読書趣味は日増に喚起せられ遂に閲覧室の設立を促せり[#「読書趣味は日増に喚起せられ遂に閲覧室の設立を促せり」に傍点]」との報告に接し、ついで「巡回書庫はいたる処に善良なる
次へ
全4ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
佐野 友三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング