も、山口図書館現在の書庫は全く一時的設備に関り四十年度以降の増加図書を収容するに堪えざるをもって、ここに一時の急を支うる為め、普通閲覧室内に大書函八個を据付け、主として一般に需要ある通俗図書につき、(一)[#「(一)」は縦中横]宗教、哲学、教訓類三百十四冊(二)[#「(二)」は縦中横]教育二百三十八冊(三)[#「(三)」は縦中横]文学、語学三百八十四冊(四)[#「(四)」は縦中横]歴史、伝記、地誌、紀行四百十九冊(五)[#「(五)」は縦中横]法制、経済二百三十一冊(六)[#「(六)」は縦中横]数学、理学、医学三百七十六冊(七)[#「(七)」は縦中横]工学、兵事、美術、産業四百二十九冊(八)[#「(八)」は縦中横]辞書、事彙百四十九冊、計二千五百四十冊を選択し、別に、将来の増加書のために相当の余地を存し、四十年度以降、読衆のためにこれを公開することとなせり。余等は未だ正確にこれが利害を報告すべき時機に達せざれども、研究を目的とする読者はしばらく措き、少なくとも、館外帯出者のごときは、必ずしも目録について検索するを要せず、借受前、親しく図書の内容を点検するの便あるべく、図書紛失のごときは、断じて無かるべきことを確信す。
[#ここから2字下げ]
附記 小学校附設図書館の創立に際し、特に書庫を新設する場合は論外なれども、校舎の一部を使用してなるべく簡易に事を弁ぜんとならば、二十坪の普通教室([#ここから横組み]4×5[#ここで横組み終わり])を使用するものとして、その三面に三間宛六段の書架を取付くるにおいては、平均厚さ一寸の図書三千二百四十冊([#ここから横組み]3×3×6×6×10[#ここで横組み終わり])を収むるに堪うべく、中央には十数人の閲覧席を設けて外来の閲覧者を迎うるに足るべく、校内の児童には各自教室内にて閲覧せしむるも、図書を自宅に携帯せしむるも、管理者の随意なるべし。
[#ここで字下げ終わり]
底本:「個人別図書館論選集 佐野友三郎」日本図書館協会
1981(昭和56)年9月7日第1刷発行
初出:「山口県立山口図書館報告 第八」
1907(明治40)年5月
入力:鈴木厚司
校正:小林繁雄
2007年12月28日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で
前へ
次へ
全3ページ中2ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
佐野 友三郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング