学校教育における図書館の利用
佐野友三郎

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    一
「学校の教育は如何に完備し充実すとも、米国のごとき国柄に在りて民衆の需要を充たすに足るべしとは想われず。されば在学中も、卒業後も、不断の読書をもってこれを補充せざるべからず。この補充的読書は、すべての民衆に、無料なる選択宜しきを得たる集書あるにあらざれば充分なる能わず、指導もまた能く行わるべきにあらず。」
「カーネギー氏その他の援助により最近二十五年間に図書館設置の進歩顕著なりしに拘らず、合衆国民の大多数は今なお依然として相当の集書に接すること能わず、人口二万五千以上の都市の大多数と二万五千以下の都市の多数とは、優良の公共図書館を有すれども、これら図書館の大多数は都市の区域内または附近郊外在住の民衆の用を弁ずるのみ、小町村及び郊外在住者の大多数は今なお図書館の便宜を有することなし。巡回文庫は全国を通じて到る所に活動すれども、遂に不動公共図書館自体の用を弁ずること能わず。」
「今日の急務は郡庁所在地
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