、なるほど大きな店だが、保証金が二万円いるというので、問題にもなにもならなかった。
シヅは、アメリカ・ビニロンのファッション・モデルに紹介すると言いだしたが、気がないので、サト子は断った。ガード下の小さな中華料理でつつましい夕食をし、二人で映画を見て、遅く帰った。
翌朝、まだ寝ているうちに、アパートの差配に起された。
「電報がきていますよ」
シアトル発信のラジオ電報だった。西荻窪の植木屋の気付で、宛名は、ミナカミサトコとなっている。シアトルでうった日付は、十月二十五日……すこし遅すぎるようだった。
「これは、いつ来たの?」
「昨日の夕方、坂田とかいうひとから、預ったんですがね」
坂田というと、坂田青年のことだろうが、どうして、ここにいることがわかったのか、ふしぎだった。
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八ヒアサ ヒカワマルデ ヨコハマニツク ニユウグランドニテアイタシ アリエ
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アリエ、アリエ……と口のなかでくりかえしているうちに、アメリカの北西部で、祖父が、有江というひとと共同で、鉱山の仕事をやっているという消息があったのを、思いだした。
戦後、四年目ぐら
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