すんだことをうらんだり、そんな意気地《いくじ》のねえことは決してしないということだ」
 東一君は黙って、ながい間おじいさんの、小さいけれど意気のあらわれた顔をながめていた。やがて、いった。
「おじいさんはえらかったんだねえ」
 そしてなつかしむように、かたわらの古いランプを見た。



底本:「新美南吉童話集」岩波文庫、岩波書店
   1996(平成8)年7月16日発行第1刷
入力:浜野智
校正:浜野智
1999年4月20日公開
2004年2月19日修正
青空文庫作成ファイル:
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